【開催報告】7月19日 後見&家族信託セミナー
2024/07/26
成年後見制度と家族信託について学べるセミナーを開催しました!
2024年7月19日、中央区立浜町メモリアルにて、行政書士の島田満俊による「成年後見制度と家族信託」というタイトルのセミナーが開催しました。
今回は、70代の方々を含む15名の参加者がお集まりくださり、認知症対策としての財産管理の方法や法律の知識をお伝えすることができました。
セミナーの概要
セミナーは、まず「成年後見制度」と「家族信託」という二つの重要な制度の基礎知識から始まりました。
成年後見制度は、判断能力が不十分になった場合に、専門家や信頼できる人が代わりに決定を下すための制度であり、家族信託は自分の財産を信託することで、万が一の際にスムーズに財産を管理するための仕組みです。
島田から、これらの制度がどのように機能するのか、それぞれのメリットやデメリットを詳しく解説しました。
成年後見制度の主なメリットとしては、判断能力が低下した場合に第三者が適切に支援してくれる点が挙げられます。
一方、デメリットとしては、手続きが煩雑であることや、後見人が本人の財産を守ることを重視して判断するため、柔軟な財産管理が難しくなることがあります。
家族信託のメリットには、認知症後も変わらぬ財産管理を実施できることや、信頼できる家族に財産の管理を任せることができる点が挙げられます。
しかし、設立に一定の費用がかかることや、信託契約の内容が複雑で理解するのが難しい場合があることもあります。
ケーススタディで具体的な理解を深める
セミナーの後半では、具体的なケーススタディが紹介され、参加者の皆さんに「成年後見制度」と「家族信託」をどのように実際の状況に応じて選ぶべきかを理解していただくことができました。
以下の三つのケースを例に挙げ、それぞれのケースにおける最適な制度選びについて詳しく説明しました。
●ケース1:山田太郎さんのケース
・登場人物 山田太郎さん(78歳、独居、自宅所有)、山田花子さん(太郎さんの娘)
・状況 山田太郎さんは認知症の初期段階と診断され、日常生活に支障が出始めている。今後、資産管理や生活の維持が難しくなる恐れあり。太郎さんは花子さんに介護の負担をかけたくないため、自分の持ち家を処分して施設に入る資金に充てたいと考え、口頭でその旨を花子さんに伝えている。
●ケース2:鈴木一郎さんのケース
・登場人物 鈴木一郎さん(80歳、持ち家あり、収益アパートあり)、鈴木二郎さん(一郎さんの息子)
・状況 鈴木一郎さんは高齢のため認知症のリスクはあるものの、現在のところ認知症の兆しはない。一郎さんは、自分の資産管理と相続対策が必要だと考えており、今後も現在住んでいる家に住み続けたいと希望している。息子の二郎さんは近くに住んでおり、一郎さんの支援が可能。
●ケース3:太田花子さんのケース
・登場人物 太田花子さん(75歳、持ち家あり)
・背景 太田花子さんは15年前に夫を亡くし、一人暮らしをしている。子供はいなく、親類も遠方に住んでいるため、将来的に心や体が不自由になった際にお金の管理が心配。
参加者の皆様からの反響と今後の予定
セミナー終了後には、多くの参加者から活発な質問が寄せられ、終了時間ギリギリまで盛り上がりを見せました。参加者の皆さんが興味深く聞き入っている様子が印象的でした。
アンケートには「ざっくりと大まかにわかりました。これから少しずつ細かく勉強していく必要があると感じました。」との回答が寄せられました。まさにその通りで、このセミナーは「成年後見制度」と「家族信託」の基礎を「ざっくり」と理解してもらうためのものでした。
今後、さらに詳しく学ぶためのセミナーも企画していますので、興味のある方はぜひご参加ください。具体的な手続きや詳細についても、実際の事例を交えて学べる機会となりますので、どうぞお楽しみに。
その他にも大変うれしいお言葉をいただきました!ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
これからも、皆様の生活がより豊かで安心できるものとなるよう、情報提供を続けて参りますので、引き続きよろしくお願いいたします。