法定相続分と遺留分の基本知識
2024/08/29
遺言は、あなたが亡くなったあとに、「誰にどの財産をどれくらい渡すか」を伝えるための大切なものです。ただし、遺言を書くときには厳格なルールがあり、そこを間違えると遺言自体が無効になってしまうことがあるので、注意が必要です。また、必ず理解しておきたいポイントが、相続人の権利を守るために法律で決められている「法定相続分」と「遺留分」です。これらを理解することで、遺産をスムーズに分け、家族の間でのトラブルを防ぐことができます。
法定相続分とは?
まず、「法定相続分」について説明します。法定相続分とは、法律で決められている各相続人が受け取るべき遺産の割合のことです。たとえば、配偶者と子どもが相続人の場合、配偶者が1/2、子どもが残りの1/2を分け合うことになります。
この割合は、遺言がない場合の遺産相続や、遺言が無効になった場合の遺産相続などで使われます。そして、この「法定相続分」の考え方は、遺言を作る際にも、それぞれの相続人が納得できる配分にするため・トラブルを引き起こさないために、参考にすることがよくあります。
法定相続分の具体例
以下に、法定相続分の例を挙げます。
●配偶者と子どもがいる場合
配偶者:1/2
子ども:残りの1/2を等分に分ける
●配偶者と両親がいる場合(子どもがいない)
配偶者:2/3
両親:残りの1/3を等分に分ける
●配偶者と兄弟姉妹がいる場合(子どもや両親がいない)
配偶者:3/4
兄弟姉妹:残りの1/4を等分に分ける
このように、相続人の組み合わせによって法定相続分は異なります。遺言を作成する際には、これらの割合を参考にしながら、相続人のバランスを考えることが大切です。
遺留分とは?
次に、「遺留分」について説明します。遺留分とは、一部の相続人に対して、「どんな遺言があったとしても、あなたは最低限これだけは受け取る権利がありますよ」と法律で保障されている相続分のことです。たとえ遺言で遺産の分け方が決められていても、特定の相続人がまったく遺産を受け取れないという事態を防ぐために、この遺留分が設けられています。
たとえば、「私の全財産を娘のA子に渡す」という遺言があって、それが執行されたとしても、配偶者や他の子供たちには、法律で遺留分が保障されています。配偶者や他の子供たちは「遺留分侵害額請求」という手続を行って、自分たちの権利を主張できます。
遺留分の具体例
以下に、遺留分の具体例を挙げます。
●配偶者と子どもがいる場合
配偶者:法定相続分の1/2
子ども:法定相続分の1/2
●配偶者と両親がいる場合(子どもがいない)
配偶者:法定相続分の1/2
両親:法定相続分の1/3
●配偶者と兄弟姉妹がいる場合(子どもや両親がいない)
兄弟姉妹には遺留分は認められませんが、配偶者には法定相続分の1/2が遺留分として保障されます。
遺留分を考慮しない遺言を作成してしまうと、あとでトラブルの原因になりかねません。そのため、遺言を作成するときには、遺留分をしっかり理解し、相続人間の公平性を保つようにすることが大切です。
遺言を作成する際のポイント
遺言を作成するときには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
1.相続人全員の権利を尊重する
法定相続分や遺留分を考慮しながら、相続人全員が納得できる遺言を作成することが重要です。
2.遺留分を侵害しないように注意する
遺留分を侵害する遺言は、あとで相続人間のトラブルを招く可能性があります。遺言を作成する際には、遺留分をしっかり計算し、配分に反映させましょう。
3.定期的に見直す
家族構成や財産状況が変わることもあるため、遺言は定期的に見直すことをおすすめします。行政書士シーガル事務所では、遺言作成後のフォローアップも行っており、必要に応じて遺言の修正や再作成をサポートしています。
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行政書士/中小企業診断士 シーガル事務所
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