遺産分割協議における揉めがちポイントの例
2024/08/05
父、太郎さんの他界 と 遺産分割協議の開始
ある晴れた日の午後、太郎さんの家のリビングルームには、
妻の花子さん、長女のさくらさん、長男の一郎さん、そして何年も音信不通だった次男の次郎さんが集まっていました。
太郎さんが亡くなり、遺産分割の協議が行われることになったのです。
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花子さん: 「みんな、今日は集まってくれてありがとう。お父さんが亡くなって、いろいろな手続きが必要になっているの。」
さくらさん: 「そうだね。お母さん、一郎、そして次郎も久しぶりだね。」
一郎さん: 「次郎、久しぶりだな。父さんのことを知らせるのに時間がかかってしまったけど、ちゃんと来てくれてありがとう。」
次郎さん: 「うん、久しぶりだね。父さんのことは残念だったよ。でも、今日は遺産分割の話だろ?具体的にどう進めるんだい?」
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次郎さんは明らかに財産の分配に興味があり、他の家族と異なり父親との感情的なつながりよりも
財産の分け方に注目している様子でした。
第2章: 父、太郎さんの遺志 と 次郎さんの反応
太郎さんは生前に次郎さんには財産を渡したくないと言っていました。
父の太郎さんは、次郎さんが若い頃に作った多額の借金の肩代わりをしていましたし、他にも多額の援助をしました。
一方で花子さんや一郎さんにはとりたてて金銭的な援助をしたことがなかったため、
自分の遺産は、妻と長女の花子さん、長男の一郎さんのみに残したいと考えていたようです。
しかし、太郎さんは遺言を残していなかったため、遺された家族が遺産分割について話し合う必要がありました。
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花子さん: 「お父さんは、次郎にはあまり財産を渡したくないと言っていたわ。でも、法的には次郎にも遺留分があるって行政書士の先生から説明を受けたわね。」
さくらさん: 「私たちはお父さんの意志を尊重したいと思ってる。だから、次郎には遺留分にあたる部分だけを渡したいの。」
一郎さん: 「次郎、それで納得してくれるかな?」
次郎さん: 「そんなの納得できるわけがないだろう!俺も家族の一員なんだから、もっともらって当然だ。」
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次郎さんの主張は止まらず、家族間の対立は深まります。
遺産分割協議は一向に進まず、状況は膠着状態に陥りました。
第3章: 遺産分割協議 の 難航
遺産分割協議は難航し、家族の間で意見が対立しました。
次郎さんは最低限、法定相続分の遺産を現金で求め、他の家族は太郎さんの遺志をできるだけ尊重しようとしていました。
太郎さんの遺志を尊重するには、次郎さんに遺産を極力渡さない、ということになります。
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花子さん: 「次郎、私たちはお父さんの気持ちを大事にしたいの。お願いだから理解してちょうだい。」
さくらさん: 「次郎、法的には遺留分しか渡せないの。これ以上は無理よ。」
一郎さん: 「次郎、僕たちも大変なんだ。お母さんを支えるために、できるだけお父さんの意志を守りたいんだ。」
次郎さん: 「それでも俺は納得できない!俺だって苦労してきたし息子だ。もっともらってもいいはずだ。」
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状況は変わらず、遺産分割協議は止まったままです。
第4章: 行政書士 からのアドバイス
家族は行政書士のシーガル君に相談し、専門的なアドバイスを求めました。
シーガル君は、遺産分割協議の進め方と法的な権利について説明しました。
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シーガル君: 「皆さん、遺産分割協議が進まないようですが、法的には次郎さんにも遺留分があるため、
全く渡さないわけにはいきません。しかし、他の家族の意見も尊重する必要があります。」
花子さん: 「どうすればいいのでしょうか?」
シーガル君: 「最終的には、遺産分割協議が全員の同意を得られない場合、家庭裁判所に調停を申請することも考えられます。ですが、できるだけ話し合いで解決することが望ましいです。」
さくらさん: 「次郎、私たちもあなたの気持ちを理解したいと思ってる。でも、お父さんの意志も大事にしたいの。」
一郎さん: 「次郎、もう少し冷静になって話し合おう。お互いに譲歩することが必要だと思うんだ。」
次郎さん: 「分かった。でも、俺もできるだけ多くの財産をもらいたいんだ。」
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行政書士のアドバイスにより、家族は再び話し合いを試みましたが、次郎さんの主張は変わらず、
協議は依然として難航しました。
第5章: 遺言の重要性 と 教訓
遺産分割協議が難航する中、花子さん、さくらさん、一郎さんは遺言の重要性について再認識しました。
太郎さんが遺言を残していれば、こんなに揉めることはなかったでしょう。
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花子さん: 「もしお父さんの遺言があったら、こんなに困ることはなかったのにね。」
さくらさん: 「本当にそうだね。お父さんの希望ははっきり聞いていたのに。」
一郎さん: 「遺留分は次郎に権利があると思うけど、それにしても話がこじれたなあ。」
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家族は、遺言を作成することの重要性と、遺産分割協議がいかに困難であるかを痛感しました。
そして、将来のトラブルを避けるために、遺言を作成することの重要性を改めて認識しました。
結論
遺言がない場合、遺産分割協議は全員の同意が必要となります。これがトラブルが発生する要因です。
一方、遺言がある場合は、遺言の内容に従って遺産が分割されるため、トラブルを避けることができます。
家族間の対立を防ぐためにも、遺言の作成は非常に重要です。
特に、家族が多い場合や複雑な相続関係がある場合は、遺産分割協議によるのではなく遺言を作成することで、
後のトラブルを防ぐことができるでしょう。
遺言で遺言執行者が指定されている場合、遺言執行者の同意がなければ遺産分割協議を行っても
遺言書の内容が優先されます。これほど遺言の効力は強いものです。
下に、遺産分割協議書と遺言の違いを表にしました。ご参考になれば幸いです。
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