遺された家族に伝えたいこと エンディングノートで思いを残そう
2024/05/09
皆さんは、終活=身じまいについて考えたことがありますか?終活には、日用品の断捨離やお墓選びなど、いろいろなことが挙げられますが、一番大切なことは、「遺された人々に何をのこすか」ではないでしょうか。親しかった家族や友人たちに、自分の想いを明確に遺すことは、自分にとっても周りの人々にとっても大切なことです。そこで重宝するのがエンディングノートです。エンディングノートは、自分がいなくなったあと、周りの人々に遺したい想いやメッセージ等をまとめたノートのことです。
迷っている方も必見です!今回は、エンディングノートについての準備方法をご紹介します。
目次
エンディングノートとは何か?
エンディングノートは、自分がいなくなったあとにも残したい思い出や遺したい言葉、お墓の場所、遺産分配や家族への意向などをまとめた書類です。行政書士シーガル事務所は、行政書士の業務として遺言書の作成を扱っていますが、遺言書の作成をご希望のお客様には、法律の話から一旦離れて、エンディングノートをおすすめしています。エンディングノートは相続に限らず、個人が自分自身の人生を振り返り、これからの人生設計を改めて行うことのできる、とても良いツールです。近年、終活という言葉が皆様の生活にも浸透したことで、ご高齢者の方々がエンディングノートにご興味を持たれる場面がとても増えてきました。実際、本屋に足を運べば、様々なエンディングノートが並んでいます。エンディングノートを作成しておくと、自分がいなくなったあとも、遺される家族・友人がその思い出や言葉を読んで慰められることができますし、本人の意志が明確にわかることで、遺産分割協議の際にトラブルを防止する効果が期待できます。行政書士シーガル事務所では、エンディングノートの作成に関する相談にも対応しています。
どうやってエンディングノートを作ればいいのか?
エンディングノートは、自分がいなくなったときに、家族や親族に何をしてもらいたいか、自分の希望を示すことができる重要なものです。そこで今回は、エンディングノートを作る手順を紹介します。
①まずはノートを用意しましょう
最近は、本屋にエンディングノートのコーナーができるほどラインナップが充実してきました。中には「おひとりさま用」「ペットがいる人向け」など、用途が限定されているようなものもあります。ご自身で気になったものを選んでください。当事務所としては、あまり厚いものはおすすめしていません。気軽に気楽に始められるよう、比較的薄めのもののほうが良いではないでしょうか。
なお、エンディングノートは絶対に購入する必要があるわけではありません。普通のノートに自由に記載してももちろん構いません。
②書きたいところから書いてください
このとき、最初からボールペンで書くことはおすすめできません。まずは消しゴムで消える鉛筆やシャーペンで。何度も書き直すことができるようにするためです。汚れが気になる方は、書きたいページだけコピーして、そのコピーに書いてみるのもいいでしょう。
家族や友人に知っておいてほしいこと、遺産分割の方法、葬儀に関すること、もしものときには連絡してほしい人のリストなど、自分が書きたいところから、書きたいだけ、自由に記載します。 さらに、健康状態や治療記録、医療保険などの情報も書けるようでしたら書いておきましょう。
③保管場所を家族に知らせましょう
エンディングノートを作成したら、家族や親族にエンディングノートを作成したことと、その保管場所について知らせておくことが大切です。無理に中身を見せる必要はありません。「エンディングノートを書いたからね」「この引き出しに入れておくから、もしものときには読んでね」と伝えておけば十分です。
エンディングノートに書く内容は?
基本的に、エンディングノートは最初から最後まで全部書かなくてはいけないということはありません。自由に、書きたいところだけ書くことをおすすめしています。とは言え、どんな内容を書いておくことが効果的なのかも気になりますよね。そこで、以下に主なものをいくつかご紹介します:
①遺産についての自分の意向や気持ち
エンディングノートには、自分がいなくなった後の遺産分割に関する意向や気持ちを書き留めることができます。これにより、自分の想いが家族に正確に伝わり、自分の望む通りの遺産分割が行われる可能性が高まります。ただし、エンディングノートに記載したからと言って法律上の効果が発生するわけではありません。エンディングノートはあくまでも遺された家族に向けての私的なメッセージですので、法律上の効力を期待する場合には、法的に有効な遺言を作成しましょう。
②自分の財産についての情報
エンディングノートに自分の資産や借金、生命保険、その他重要な書類の保管場所などを記録しておくことで、自分がいなくなった後の手続きの際、家族の手間を省くことができます。また、自分が意思表示できなくなったときにも、家族を困らせることがないので安心です。
また最近のご相談で大変多いのは、「亡くなった家族のSNSのIDとパスワードが分からない」というものです。IDやパスワードのほか、もしものときにはどうしてほしいか(削除してほしいのか、残してほしいのかなど)も併せて記載しておくと良いでしょう。
③家族・友人への感謝の気持ち
エンディングノートには、家族への感謝のメッセージを書くこともできます。これは、自分の想いを家族に伝えるだけでなく、家族にとっても、故人を思い出すときの大きな慰めとなります。
以上のように、エンディングノートを書くことは、自分自身と家族・友人のために大きなメリットがあります。エンディングノートは、自分の人生を振り返り、これからの生活設計を考えるための重要なツールと言えるでしょう。
これから書こうと思っている方、迷っている方、ちょっと思い切って、ぜひ一歩踏み出してみてください。