【創業助成金】採択につなげる申請のコツ 採択率15%の壁を越える︕東京都創業助成事業の最新トレンド
2026/03/27
東京都の創業者向け助成金である「創業助成事業」は、人件費や賃料などが対象となる珍しい存在です。
一方で、毎回500件前後の申請の中から約100件前後しか採択されない、競争率の高い助成金でもあります。
本記事では、直近の令和6年度第2回(採択100件・申請546件)および令和7年度第1回(採択91件・申請593件)の採択結果をもとに、令和8年度応募に向けた最新の傾向と「採択されるために押さえるべきポイント」を解説します。
令和8年度第1回の公募期間は令和8年4月16日(木)23時59分まで。
申請受付期間もとても短いため、公募開始前にほぼ準備を終えておく必要があります。
いまからですと第2回公募を目指すことになりそうです。
創業といっても「創業5年未満」と比較的緩い条件です。
応募を検討される方は、今から第2回向けに準備をされるいうことをお勧めします。
ご支援した案件には、半年をかけて準備したことがあります。
創業助成事業の概要
●対象:東京都内で創業した、または創業予定の中小企業者・個人事業主など
●目的:創業初期の経費負担を軽減し、安定した事業運営への定着を支援すること
●助成対象経費:人件費、賃借料、広報費、備品購入費など、創業初期の販路開拓・体制整備に必要な経費
●申請件数・採択件数:令和6年度 申請1,053件・採択208件(1回・2回合計)
詳細な募集要件やスケジュールは、東京創業ステーションの公式ページをご確認ください。
最新採択結果の数字で見る「難易度」と傾向
直近の数回をならすと「採択率はおおむね15~20%前後」で推移しており、5~6件に1件程度しか採択されない助成金です。
通常、年に2回公募される助成金ですから令和7年度のまとめはまだ出ていませんが、
令和6年度は大幅に採択率が上がりました。
なお、令和7年度第1回公募では、採択者91件、申請者593件で採択率15.3%でした。
採択事例から見える「強いテーマ」とキーワード
令和6年度第2回・令和7年度第1回の採択者一覧を眺めると、次のような分野・キーワードが目立ちます。
以下、まとめました。
1.DX・AI・SaaS・ITサービス
・生成AIを活用した業務効率化サービス、AI検索プラットフォーム、DX人材特化の採用支援、業務支援SaaSなどが目につく。
・建設業、医療・介護、製造業、営業支援など、既存産業の課題にIT・AIを適用する「業界特化型DX」が多い。
→ 「ただのITサービス」ではなく、特定業界の具体的な課題に対するDXソリューションが評価されている印象です。
2.介護・医療・ヘルスケア・福祉
・訪問看護ステーション、障害児通所支援、リハビリ専門ジム、心臓病の予防・ケアサービス、ヤングケアラー支援など、医療・介護・福祉系の事業が毎回一定数採択。私どもでも採択率が高い分野です。
・子育て支援(ベビーシッター併設施設、子どもの非認知能力を伸ばす学童や教育サービスなど)も継続的に見られます。
→ 少子高齢化・共働き増加・ケアラー問題など、社会課題に根ざしたサービスは、安定して採択される傾向があります。自治体の助成金であるため、地域の社会課題に対応する案件が採択されやすいと個人的に推測しています。募集要項でもこの点、触れられています。
3. サステナビリティ・環境・GX
・GXコンサルティング、オーツミルク、森林再生につながる炭の製造、海洋モニタリング、モノの再流通やフードロス削減などの事業が採択。
・「環境配慮」だけでなく、実際にビジネスとして成り立つ収益モデルの提示がポイントになりそうです。
4.伝統文化・地域資源 × 新しいビジネスモデル
・日本刀文化、伝統工芸、組子などの工芸を現代的なプロダクトや体験サービスに転換する事業。
・インバウンド向け日本酒体験、訪日外国人向け体験サービス、地域密着の飲食・カフェなども一定数採択されています。
→ 「伝統×インバウンド」「地域資源×EC・体験企画」など、ストーリー性と収益性を両立させた事業が支持されていると言えます。東京都の助成金として、見方によっては「王道」かもしれません。
採択されやすい事業計画書の特徴の傾向分析
採択一覧と公表データから、採択される傾向を整理すると、次の4点が特に重要に感じます。
1.社会課題・ニーズが具体的に言語化されていること
・「高齢化」「人手不足」「DXの遅れ」「子育てと仕事の両立」「環境負荷」など、
東京都が直面している課題とリンクしているか。
・対象となる顧客像(ターゲット)が明確で、「誰の」「どんなお困りごと」を解決するのかが
一読して分かる計画である。
2.既存サービスとの差別化が明快であること
・同業他社が既に多い分野ほど、「なぜ今、あえてこのサービスか」「何が違うのか」の説明が重要になります。
・採択例では、AIや専門知識、特定業界への特化、24時間対応・多言語対応など、
具体的な差別化ポイントがタイトル・事業概要から読み取れるものが多く見られます。
3.収益モデルと数値計画が現実的なこと
・助成金に頼るのではなく、助成期間終了後も自走できる収益モデルかどうかが重視されます。
・採択率が15~20%前後で推移する中、「売上計画が急激すぎる」「根拠が弱い」計画は不利になりがちです。
4.助成対象経費と事業の「つながり」が明確であること
・採択例を見ると、WEBサービス開発費・システム構築費・設備・広報費などが、
「事業の成長ストーリー」に沿って組み込まれています。
・電子看板や内装、広告なども、「誰に・何を・どうやって届けるための投資か」を
審査委員にわかりやすく説明できているかが重要です。
総じて、東京都の社会問題を解決する、課題を達成するための事業であるとよりポイントが高いと考えています。
東京都の税金を使って創業間もない事業者を応援したい、そう感じられる事業計画を作りたいものですね。
「伸びている分野」だからこそ、注意したいポイントあり
直近の採択結果を見ると、DX・AI・SaaS・介護・子育て支援・サステナビリティなどは、確かに採択数が多い「人気分野」です。
一方で、人気が高い分野ほど競合も多く、「ありきたりな計画」では選ばれにくい状況になってきています。
注意したいのは次のようなケースです。
・「AIを活用して業務効率化を支援します」
→どの業界の、どの業務を効率化するかターゲットを絞る必要あり。
・「子育て世代を応援するカフェ」
→既存の親子カフェとの違いは?その地域が持つ課題や問題意識をテーマに、
自社のビジネスプランと工夫を書きたい。
・「環境にやさしい商品」
→だが、具体的などの環境にどの程度の定量的な効果があるか、
またビジネスとしてのスケール(実現性)を記載したい。
同じ分野でも、
「ターゲット」「課題」「解決方法」「ビジネスモデル」を一段深く掘り下げて説明できる事業計画が、
採択に近づくでしょう。
申請を検討している方への実務的アドバイス
これから創業助成事業への申請を考えている方は、次の点を意識して事業計画書を作成しましょう。
私自身がご支援する際に考えることと近いものをいくつか挙げます。
1.まず「データ」をベースに全体像をつかむ
・過去の申請件数・採択件数を把握し、難易度を冷静に考えます。
・最近の採択事例の「助成事業概要」をチェックして、「採択のトレンド」がどこにあるか検討します。
助成金は政策ですから政策に沿った審査基準が審査委員にもあるはずです。
当然審査項目に書いてあるのですが、採択された案件を研究して傾向をつかみましょう。
2.自分の事業がどの採択パターンに近いかを確認する
前の項目と関連しますが、
・最新の採択一覧から、自分のビジネスに近い業種・ビジネスモデルを探します。
・その事業概要の「書き方・切り口・キーワード」を参考にしつつ、自社ならではの強みを言語化します。
3.「創業者の経歴」と「事業の実現可能性」を結びつける
・採択例には、創業者の専門性・キャリアが事業内容と密接に結びついている事例が多くみられます。
・自身の経験・資格・ネットワークと、事業内容をどう結びつけて説明するか工夫しましょう。
4.専門家に「第三者目線」でチェックしてもらう
・主観的には分かりやすいつもりでも、「採択する側の目線」で読むと伝わりにくいことが多くあります。
・創業助成事業の申請支援経験がある専門家に事業計画を見てもらうことで、
採択レベルに近づけることができます。
このチェックはできるだけ早めに行ってください。
「早めに」の意味は以下の2つです。
・申請する事業計画作成の早い段階で
・締め切りまでに充分時間がある状態で
実際には申請直前にご依頼されることが多いのですが、
ほぼ完成していたり、締め切りまで時間がなかったりすると
若干の手直し程度しかご助言できません。
(完成している事業計画書を作り変えてくださいとはなかなか申し上げにくいです💦)
まとめ:最新の採択傾向を踏まえた戦略的な申請を
最後にざっくりとですが要点を2つまとめます。
・採択率はおおむね15~20%前後と、競争率は決して低くありません。
・最近の傾向として、
DX・AI・SaaS、医療・介護・子育て支援、サステナビリティ、伝統文化×新モデルなどが目立ちますが、
分野だけでなく「地域課題の明確さ」「差別化」「収益性」が鍵となります。
創業助成金への申請をご検討中の方で、
「自分の事業が採択されるレベルだろうか」
「事業計画書のブラッシュアップを手伝ってほしい」といったお悩みやご要望があれば、
事業内容を簡単に教えていただければ、想定されるポイントや注意点を具体的にお伝えできます。
差し支えなければ、ご自身で申請を検討されている事業の「業種・ビジネスモデル」を
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