家族信託って本当に安心?後悔しないために知っておきたいデメリットと注意点
2025/02/27
家族信託って本当に安心?後悔しないために知っておきたいデメリットと注意点
家族信託って本当に安心?後悔しないために知っておきたいデメリットと注意点
近年、終活について注目度が高まり、「家族信託」という言葉を耳にする機会が増えました。認知症対策や相続対策として注目される家族信託ですが、「うちは家族信託したからもう安心!」と安易に考えてしまうのは危険です。
家族信託は、正しく活用すれば非常に有効な手段ですが、デメリットや注意点も存在します。この記事では、家族信託専門士の資格を持つ行政書士シーガル事務所の川上が、家族信託のデメリット、注意点、トラブル事例にフォーカスし、その上で、トラブルを避けるための対策について、わかりやすく解説します。
家族信託とは?
家族信託とは、財産を持つ人(委託者)が、信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分を託し、あらかじめ決めた目的(受益者)のために財産を活用する仕組みです。
例えば、認知症になった場合に備えて、自分の財産を息子に託し、自分の生活費や医療費に充ててもらう、といった活用方法があります。
家族信託のメリット
● 認知症対策: 認知症などで判断能力が低下した場合でも、財産を凍結されることなく、柔軟に管理・運用できます。
● 相続対策: 遺言では実現できない柔軟な財産承継が可能です。
● 財産管理の柔軟性: 家族の状況やニーズに合わせて、財産の管理・処分方法を自由に設計できます。
● 家族信託のデメリットと注意点
● 専門知識が必要: 家族信託契約は複雑で、専門的な知識が必要です。専門家のアドバイスなしに契約すると、後々トラブルに発展する可能性が高まります。
● 受託者の負担: 受託者は、財産の管理・処分に関する責任を負います。適切な管理を怠ると、損害賠償責任を負う可能性もあります。
● 家族間のトラブル: 財産の管理・処分方法を巡って、家族間で意見が対立する場合があります。
● 信託監督人の必要性: 受託者の管理を監督する人がいないと、受託者が財産を使い込んでしまうなどのリスクがあります。
● 税務上の注意点: 家族信託は、贈与税や不動産取得税などの課税対象となる場合があります。
家族信託で起こりやすいトラブル事例
● 受託者の財産使い込み: 受託者が自分の利益のために信託財産を使ってしまう。
● 家族間の対立: 財産の管理・運用方法を巡って、家族間で意見が対立し、トラブルに発展する。
● 信託契約の内容が不明確: 信託契約の内容があいまいなため、後々解釈の違いでトラブルになる。
● 税務上の問題: 税務上の取り扱いを誤り、多額の税金を支払うことになる。
トラブルを避けるために重要なこと
● 専門家への相談: 家族信託に精通した専門家(行政書士、司法書士、税理士など)に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
● 信託契約の内容を明確化: 信託契約の内容を具体的に定め、家族全員が内容を十分に理解することが大切です。
● 受託者の選任: 信頼できる家族を受託者に選任し、受託者の責任と権限を明確にすることが重要です。
● 信託監督人の選任: 受託者の管理を監督する信託監督人を選任することで、受託者の不正を防止できます。
● 定期的な見直し: 家族の状況や財産の状況は変化するため、定期的に信託契約を見直し、必要に応じて修正することが大切です。
行政書士シーガル事務所からのアドバイス
家族信託は、正しく活用すれば非常に有効な手段ですが、専門的な知識が必要です。当事務所では、家族信託専門士の資格を持つ行政書士が、お客様の状況やニーズに合わせて、最適な家族信託の設計をサポートします。
家族信託について少しでも不安や疑問をお持ちの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。