小規模事業者持続化補助金(商工会議所)<一般型・通常枠>第18回公募の傾向分析
2026/03/26
はじめに……「あなたは“小規模事業者”ですか」
小規模事業者とは、
中小企業基本法に基づき、
・商工業(製造業・建設業・運輸業など)では常時使用する従業員が20人以下
・商業(卸売業・小売業)やサービス業(宿泊業・娯楽業除く)では5人以下
これらのの小規模な企業や個人事業主のことです。
法人者・個人の両方が該当します。
補助金に応募する事業者の皆様に参考になるよう、
今回の記事では、先日公表された採択事業者を生成AIを用いて分析し、整えました。
商工会議所担当エリアのデータを用いて分析しました。
商工会担当のエリアでも従来通り大差ないと思われます。
1.採択数/率の傾向
第18回公募の結果は、
申請は17,318件(前回比△6,047件)、採択8,330件(同△3,598件)、採択率48.1%(同△3.0pt)でした。
持続化補助金<一般型>の採択率は、制度初期には60〜70%台で推移し、
「比較的通りやすい補助金」と認識されていました。
しかし近年は50%前後まで低下し、第16回では過去最低の37.2%を記録しています。
第17回で51.1%に回復したものの、第18回は再び48.1%に下落しており、
実質的に「選抜型」(質的選別)の傾向が表れています。
2.「採択タイトル」から見るキーワード分析
採択タイトルのキーワードを基に主要テーマを集計すると、
最も多かったのは「設備導入・省力化」系で1,536件、
続いて「新商品・新サービス」が992件、
「Web・デジタル集客」が962件でした。
いくつか深掘りしてみます。
●「設備導入・省力化」
設備投資による受注可能領域の拡大、品質の安定化、高単価化、提供スピードの改善、少人数運営の実現
「売上を作るための設備投資」との側面(訴求)が目立ちます。
●「新商品・新サービス」
新商品開発、メニュー追加、新規サービス開始、サブスク化、BtoB向けメニュー新設
「今まで取れていなかった顧客をどう取りに行くか」にフォーカスされている傾向です。
既存事業の延長だけでは審査が通りにくく、
既存資源を活かしつつも顧客に新しい価値を提示する案件が評価されているようです。
●「Web・デジタル集客」
MEO、SNS、オンライン販売、EC、LP、動画、Webカタログ、予約システム、デジタルサイネージなど、
顧客導線の設計に関わる施策が幅広く現れています。
「認知→比較→予約・購入」の流れを設計し、売れる状態を作る投資が評価されていると感じました。
●「観光・地域資源・体験」
私の体感では、地域産品、古民家、文化財、体験、インバウンドなどを扱う申請が多かったように感じますが、
採択されているのは顧客にとってどのような価値になるかが具体化されたものが多い結果でした。
「地域性を売れる価値に変換」という説得力のあるストーリーと根拠が決め手になります。
●「美容・健康系」
美容室のエステ・脱毛参入、パーソナルジム・ピラティススタジオの新設、
高齢者向けリハビリ・健康サービス、韓国式肌管理メニューの導入などが頻出しています。
細分化されたターゲットに向けたサービス設計が目立ち、「誰の、どんな悩みを解決するか」が明確な案件が
採択されているようです。
3.業種別に見る採択事業の傾向
持続化補助金は業種横断的な制度ですから、公式の業種別統計は公表されていません。
ですから採択事業名から推測される主要業種の傾向のキーワードを読み取ってみました。
これらに合致するビジネスプランをお持ちの方は補助金を検討する価値があるでしょう。
●飲食
〈例〉新メニュー開発、店舗改装、デジタル集客(MEO、SNS、EC)、テイクアウト・デリバリー対応、インバウンド対応など
〈狙い〉冷凍食品のEC販売、新メニュー開発、厨房設備増設、個室化・バリアフリー化、地産地消コンセプトの確立などが見られます。「食べる場」から「買える場」への転換や、ターゲット層の明確な絞り込み(高齢者、女性客、宴会需要、インバウンド等)が採択のカギになりそうです。
●小売
〈例〉ECサイト構築、SNS活用、看板・サイネージによる認知向上、新商品開発、リユース事業参入など
〈狙い〉販路拡大のための店舗の「見せ方」改善と、オンライン・オフラインの販売チャネル複線化がトレンドとなっています
●製造
〈例〉レーザー加工機・溶接機・検査装置等の導入による新分野進出、展示会出展、ショールーム整備、EC・直販体制の構築など
〈特徴〉BtoBの受託型から自社ブランド・直販型への移行を目指す案件が目立つように感じました。
●サービス(美容・健康)
〈例〉美容室のエステ・脱毛参入、パーソナルジム・ピラティススタジオの新設、高齢者向けリハビリ・健康サービス、韓国式肌管理メニューの導入など
〈特徴〉細分化されたターゲットに向けたサービス設計が目立ち、「誰の、どんな悩みを解決するか」が明確なプランが採択案件に多いように感じました。
●サービス(士業・専門サービス)
〈例〉行政書士のDM広報事業、法律事務所の農業特化支援、特許事務所の中小企業向けサービス、行政書士事務所の高齢者支援など
〈特徴〉自社の専門性を明確にし、対象となる特定のターゲット層に届けるための広報・販促投資が採択されているようです。
●建設・施工・工務店
〈例〉ICT建機やドローンの導入、外構工事・リフォーム分野への進出、ショールーム設置、看板リニューアル、Web集客強化など
〈特徴〉下請け型から元請け型への転換、一般住宅市場への参入を志向する案件が目立ちました。
●観光・宿泊
〈例〉インバウンド対応(多言語化、決済システム)、体験型コンテンツ開発、施設改修、デジタルマーケティングなど
〈特徴〉「泊まるだけ」の宿から「体験・コンセプト型」への転換を図っている案件。サウナ宿、Book House、屋外体験強化、インクルーシブ旅行など、宿泊そのものに付加価値を乗せる設計の事業計画が目につきました。
4.審査委員が評価する「採択される事業」の5つの構造
ほかの記事でもふれていますが、この機会に改めて整理します。
構造①:顧客像が具体的であること
高齢者、女性、親子連れ、法人、飲食店、外国人観光客、地域住民、一般住宅向けなど、
誰に売るのかが見えるようにしましょう。
ターゲットが具体的であるほど、設備投資・店舗改装・広告のすべてに整合性と必然性が生まれ、
審査委員としても評価しやすくなります。
構造②:「販路の入口」と「提供の出口」が両方描かれていること
入口(看板、SNS、Web、EC、展示会、商談会等)と
出口(店舗改装、設備導入、個室化、受注体制整備、品質安定化等)両方を意識することが重要です。
入口だけの広告案件でも、出口だけの設備案件でもなく、両者が接続された案件が採択されています。
この補助金の趣旨は販路拡大/売上向上です。
どのターゲットから売上を上げるのか、そのために必要な施策は何か。
事業のシナリオを説得力をもって描きましょう
構造③:新規性が「背伸びしすぎていない」こと
この補助金は、革新的なこと、斬新な内容を求めるものではありません。
全く未知の業界に飛び込むわけではなく、既存の強みや顧客基盤に近い領域で
新商品、新メニュー、新サービス、新市場を作ることができれば十分です。
既存の美容室がフェイシャルを加える、鮮魚店がランチを始める、工務店がリフォームへ広げるといった
「隣接成長」の設計が強い傾向にあります。
※より理解したい方は「アンゾフの成長マトリクス」をご参照ください。この後にリンクを貼りました。
構造④:設備投資の意味づけが明確であること
設備が単なる更新ではなく、
「新しい顧客を取る」
「品質を上げて単価を上げる」
「提供時間を短くして回転率を上げる」
「新分野に参入する」という目的と結び付いています。
設備のスペックではなく、設備によって変わる売上の構造が評価されています。
構造⑤:成果指標が測定可能であること
新規顧客獲得、単価向上、リピート率アップ、収益改善、受注件数増加、元請割合拡大など、
成果が定量的に見える表現を必ず使いましょう。
審査員にとって評価しやすいのは、成果の方向性が測定可能な案件です。
5.まだ間に合う第19次公募(2026年4月30日申請締切)
この記事では、採択事例を踏まえてご自身でも申請書類を作成できるように解説しました。
☆第19回公募のスケジュール
・申請受付締切: 4月30日(木)17:00(必着)
・事業支援計画書(様式4)発行の受付締切: 商工会・商工会議所により異なるため、早めの確認・相談が必要です。
小規模事業者持続化補助金のページのURLを下に掲載します。
商工会地区の方は商工会のページを
商工会議所地区の方は商工会議所のページをご参照ください。
中央区銀座の終活なら、行政書士シーガル事務所へ
安心と信頼のサポートで、終活の第一歩をお手伝いします。
🔗 お問い合わせはこちら → お問い合わせフォーム
🌐 Facebookで最新情報をチェック → 行政書士シーガル事務所 Facebook
✍️ X(旧Twitter)も更新中!
-
島田:シーガル事務所の中の人 →https://x.com/GinzaSeagull
-
川上:カワカミ@行政書士シーガル事務所 →https://x.com/kawakamiseagull
