事業再構築補助金【第3回】「産業構造転換枠」(採択実績があっても応募可)
第3回は「事業再構築」の主眼でもある[産業構造転換枠]について説明いたします。
この枠に関しては、事実上の条件緩和にあたると考えています。
前回記載したように、「業種・業態」によって支援策を変えていることが、第10回公募以降の事業再構築補助金の特徴です。
事業再構築補助金[産業構造転換枠]の主な特徴
初めに「産業構造転換枠」の主な特徴を記載します。
① 市場が縮小する事業者が新たな事業に取り組むと対象となる。
※現在のところ、「市場が縮小する」ことを事業者が示す必要あり
② 第9回までに採択・交付決定を受けていても別事業であり、体制や資金力に問題がなければ応募できる(いわゆる「おかわり」可能)。
なお、上記①の「市場縮小」の要件を満たす業種は現在2業種が指定されています。
・出版業(電子出版のみの事業者は除く) 及び書籍・雑誌小売
・粘土かわら製造業
ただし、統計等を探し、データにより「市場縮小要件を満たすことの説明書」を提出することで、市場縮小要件を満たすことができます。
市場は縮小していると思われるものの【市場縮小要件】を満たすかどうかわからない、という場合は、調査をする必要があります。
ひとまずご相談ください。
公募要領から読み解いてみる[産業構造転換枠]
本題に入ります。
公募要領「産業構造転換枠」の概要には以下のように記載されています。
“国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の
中小企業等が取り組む事業再構築を支援”
つまり、「既存の」事業が、“国内市場縮小等の構造的な課題に直面してい”れば、「産業構造転換枠」に該当します。
さらにかみ砕いてみると、成長性が低い(市場が縮小する)業種の事業者様が新規事業を立ち上げようとしているなら、事業構造の転換のために国は支援しようではないか、と言っているのでしょう。
ここでの重要なポイントは、「産業構造転換枠」に該当する事業者が新たな事業にチャレンジする際は、基本的に事業再構築補助金対象となります。
冒頭に記した通り「事実上の条件緩和」と見たのはこれが理由です。
ただ、公募要領には記載されていませんが、成長性が低い業種が同じく成長性が低い業種に新事業を展開するのでは採択されにくい、つまり新事業の展開先は「成長分野」であることが採択にあたっては重要になりそうです。
[産業構造転換枠]の簡単なまとめ
最後に、[産業構造転換枠]のポイントをまとめます。
① 【売上高減少要件】が「ない」。
② 代わりに【市場縮小要件】がある。
③ 過去に採択された企業も再度応募できる。
この「物価高騰対策・回復再生応援枠」は、
従来の事業再構築補助金と似た内容です。