コラム

~資産と想いを引き継ぐために~④ エンディングノートの注意点と、まとめ






「エンディングノート」という言葉、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。


時折、テレビや雑誌等で取り上げられていますが、「エンド(=終わり)」という言葉が入っているせいか、あまりイメージが良くないかもしれません。でも、本当のところはどうなのでしょうか。


「終活カウンセラー」としての活動経験を持つ行政書士である川上が、4回シリーズにしてわかりやすく解説します。


最終回である今回のテーマは、「エンディングノートの注意点とまとめ」です。

活用できるととても有意義なエンディングノートですが、気を付けたい点があります。

注意点①法的効力がないこと

エンディングノートは、あくまでも「ノート」に過ぎません。
したがって、法律的な効力はありません。

たとえば遺産の分割方法でトラブルが起こり遺族間で裁判になったとしても、
エンディングノートに書いてあるからというだけでは根拠になりません。

法的な効力を持たせたいなら、エンディングノートとは別に、

法的に有効な要件を満たした遺言書等を用意する必要があります。


注意点②見つからない恐れがあること

これまでお話してきたように、エンディングノートには2つの役割があります。

A.自分が亡くなった後にどうしてほしいかを周りの人に伝える役割

B.今後自分がよりよく生きるための頭と心を整理する役割

Aについては、ノートが存在し、どこに保管してあるかを
周りの人が知ることが出来なければ意味がありません。

信頼できる人に、ノートの存在と場所をそっと知らせておくのが良いでしょう。

それができない場合は、
遺された方が簡単に見つけやすい場所(例えば、仏壇の引き出しなど)に
保管なさっていることもあるようです。

注意点③定期的に見直す

エンディングノートは、一度書いたらそれきりではありません。
何度でも書き直すことができます。

人の気持ちが時間と共に変わっていくのは当然のことです。

定期的にノートを見直し、今の自分の気持ちにマッチしているかチェックしましょう。

書き直さずに亡くなってしまうと、遺された方に自分の気持ちが正しく伝わらない可能性があります。

もしノートの内容と自分の気持ちが一致していなければ、必ず書き直しましょうね。
毎年のお正月に見直す方もいらっしゃいました。




エンディングノートのまとめ

①エンディングノートは、家族や親しい人への連絡ノート

②同時に、今後よりよく生きるために、自分の頭と心を整理するためのノート

③ノートの保管場所を誰かに伝えておきましょう

④法的効力を持たせたいなら遺言書が必要

⑤定期的に見直しましょう

以上、5回にわたりエンディングノートの活用法をお伝えしました。




いかがでしたでしょうか。
このコラムを読んでいただいたきっかけに、
ぜひ一度、書店などでエンディングノートを手に取ってみてくださいね!

2023/03/30 終活